宗像みあれ芸術祭

海を渡る神々とともに、アートで未来をつなぐ祭典

■ 吉田重信 | Shigenobu Yoshida

みあれの光と風と虹

| 作品コンセプト

古代の宗像は大陸との貿易で繁栄した地域として知られ、他国との交流を重ねてきた深い歴史を持ちます。そのため、文化、経済、民族が交差する場所でもありました。
「宗像みあれ芸術祭」で展示される作品「みあれの光と風と虹」は、大陸との交流が深まった神湊、宗像大社、ユリックスの古墳の3か所をつなげ、光と風とアートが循環する装置として、仮想の「光ノ門」(夜光る)を象徴的に表現します。
この作品は地域全体の自然と宇宙の一体化を目指し、アート作品から俯瞰した磁場的な発想を含んでいます。
さらに、天と地をつなぐ神湊に光る海面の虹や宗像大社の木々に映るさまざまな虹の光の映像作品も展示されます。
また、会期中には、東日本大震災から9年後に鎮魂の祈りとして発表された作品「光ノ鳥キャンドル」を宗像の祭の日に市民の方々と一緒に点灯し、未来への平和を祈るイベントが開催されます。さらに、太陽光を利用して虹を作り出すワークショップ「虹ノカンサツ」「虹ヲアツメル」も同時に開催されます。「虹ノカンサツ」では三角プリズムを使って世界が虹に包まれる様子を観察し、「虹ヲアツメル」では水と鏡を使って太陽の光を反射させ、虹を掴む体験します。
「虹」は自然界や宇宙との交信を可能にするツールであり、虹の現象を見ると私もこの世界の一瞬の現象であると気づかされます。
ワークショップでは、表現を閉じずに積極的に開放し、子供たちと虹を共有することで美と希望の象徴となります。
宗像の大地と地球の大気圏からさらに宇宙の太陽へとつながるダイナミックな思考を広げることで、「光と風と虹」自然の力の現象をアート作品を通じて体験することができます。

| 素材

木、蓄光塗料、石、映像

| 制作風景

| 作品

| 展示スポット

宗像大社辺津宮周辺、宗像ユリックス 古墳広場、宗像大社頓宮

神宝館エントランス部
[虹華(コウカ)]
2023年8月4日に宗像の水と光を集めて、自然界が常に揺らぎ続ける宗像の虹の現象作品を展示
※神宝館内作品鑑賞は有料

海の道むなかた館内
[ヒカリノミチ]
神港の波に反射する虹の光のリズムと、宗像大社の木々に映る虹の揺らぎ、その両方の光は宗像の自然界と宇宙の現象が刻々と変化していく実像を記録した動画作品を展示。展示は10/4より。

| プロフィール

吉田重信 Shigenobu Yoshida
現代美術家/福島

1958年福島県いわき市生まれ。主に光をテーマに作品を制作する現代美術家。
1990年代初頭から太陽光線を利用したインスタレーションや映像作品を発表し続けている。
光にまつわる科学と、形而上学的な側面の両者を行き来しつつ、「光」という存在の本質や、自然と人間の関わりを提示する。

1991年いわき市立美術館にて自然光の作品「Infinite Light」を発表後、水戸芸術館、宇都宮美術館、広島現代美術館、川村記念美術館、目黒区美術館、岩手県立美術館、東京都写真美術館、茨城県天心記念五浦美術館等にて発表。

1995年から自然光を使ったワークショップ「虹ヲアツメル・虹ノカンサツ」、「光の鳥」プロジェクトで注目を浴びる。

震災後の主な活動に「FUKUSHIMA ART プロジェクト」があり、さらに「玄玄天」ではアートディレクターとして国内美術家の有志を集め、その後の福島を「伝える」「考える」展示の場を支える。
近年では国内外のアートフェア(ART BASEL/ART FAIR TOKYO/DAEGU ART FAIR/ART FAIR ASIA FUKUOKA/ART TAIPEI)にも作品が紹介される。

2019年にはAnselm KieferやReiko IkemuraらとともにMuseum on the Seam(イスラエル)の「HIROSHIMA」展においてグループ展が開催され、作品もコレクションされる。

パブリックアート&コレクションとして、NTTドコモ株式会社(東京都墨田区)、CCGA現代グラフィックアートセンター(福島)、トルコ・日本基金文化センター(トルコ)、Grundy Art Gallery Blackpool(イギリス)、岩手県立美術館(岩手)、和歌山県立近代美術館(和歌山)他。

URL https://shigenobu-yoshida.com/