いのちを結ぶ、祈りとアートの交わる場所




宗像みあれ芸術祭は、宗像大社を起点に、宗像各所へ広がるアートプロジェクトです。「みあれ」とは、神様が一年に一度生まれ変わるとされる、宗像大社で10月に行われる神事に由来する言葉。アートを通じて、子どもたちをはじめ多くの方に創造の世界を楽しんでいただくことを目指し、2024年度で3 年目を迎えました。
宗像大社は、古代から続く祈りの場であり、国宝8万点を収蔵する神宝館には、海を越えた交流の証や人々の願いが息づいています。森と海が共生するこの地の参道を歩けば、豊かな自然と歴史の息吹を感じることができるでしょう。そこに、現代アートが呼応し、新たな対話を生み出す場が誕生しました。
本年度は、全国公募で選ばれた7名の作家と招待作家が宗像の地に集い、宗像大社と宗像ユリックスを舞台に、「いのちを結ぶ」をテーマにした作品を発表しました。作家たちは、宗像の歴史を紐解き、現代に生きる人々へのメッセージを込めたアートを制作。神聖な空間に寄り添う作品、森に抱かれた参道を進む中で出会うアート、さらにはユリックスの古墳広場に溶け込む表現が、訪れる人々に新たな気づきをもたらしました。
また、子どもたちがアートと環境に触れる「子どもみあれアート&マルシェ」、市民が作品の一部となる「アートワークショップ」、伝統と創造が響き合う「津軽三味線×能の舞コンサート」など、多彩なプログラムを実施しました。




さらに、文化を未来へつなぐ取り組みとして、私たちは「神宝館更新事業」にも関わりました。国内外の訪問客に向けて、新たな展示解説・リーフレット・ウェブページを制作。これらの文化の継承と発信が実現できたのは、クラウドファンディングを通じた多くの支援のおかげです。また、本芸術祭は、多くの協賛・協力者の皆さまの支えによって実現しました。企業・団体の皆さま、個人のご支援者の皆さまに、心より感謝申し上げます。
こうしたご支援のもと、芸術祭は一過性のイベントにとどまらず、地域に根ざした取り組みへと発展しています。その象徴として、一部の作品が宗像ユリックスや地元施設に移設され、2025年までの長期展示が決定しました。
森に降る雨が大地に染み込み、川となり海へ流れ、やがて天へと還るように―。アートもまた、人々の心を潤し、日々の営みに問いを生み、未来へと続いていくもの。本記録集が、この地で生まれたアートの「記憶」となり、これからも祈りとともに開かれていくことを願います。




▼ 詳細は、下記の宗像みあれ芸術祭2024記録集(PDFファイル)をご参照ください。
参加アーティスト





~先人より受け継がれたいのち~」



